〈アンリ〉
ようこそ、アルトーパークへ。
ゴドー卿がここへいらっしゃるのは
久しぶりになりますな。
〈アルドベリク〉
そうだな。無沙汰になってしまってすまない。
その分、今回の滞在では羽を伸ばすことにする。
〈アルドベリク〉
これはつまらない物だが受け取ってくれ。
と、アルドベリクは持ってきていた剣を渡した。
〈アンリ〉
ありがとうございます。
これはゴドー卿のコレクションですかな?
大事にさせていただきます。
アンリはアルドベリクの羽の向こうを覗き見る。
〈アンリ〉
……お会いしないうちにご家族が増えましたな。
〈アルドベリク〉
いや、家族というわけではないんだ……。
アルドベリクの後ろに控えていたのは、
白い羽を持つ天使とふたりのこどもたちである。
物珍しさも手伝ってか、
こどもたちは少し興奮気味であった。
〈ルシエラ〉
さ、リザ、リュディ。
今日からここにしばらく滞在するんですよ。
〈リザ〉
ねえ、ルシエラ、さっきお庭にマパパがいたー。
〈リュディ〉
僕らと同い年くらいの女の子もいたよ。
麦わら帽子被ってた。
〈リザ〉
あら、リュディって意外と目ざといのね。
〈リュディ〉
ど、どういう意味だよ……。
〈ルシエラ〉
はい、はい、そんな喧嘩はマパパも食べませんよ。
さ、お世話になるアンリさんに挨拶しなさい。
ルシエラは館の主人であるアンリに微笑む。
〈ルシエラ〉
どうも、初めまして、ルシエラです。
よろしくお願いしますね。
〈アンリ〉
天使のお嬢さん、こちらこそよろしく
お願いします。
おチビさんたちも、楽しむんだよ。
〈アンリ〉
まさか、この館にふたりも天使の女性が滞在する
ことになるとは。
あとでご紹介いたします。
〈ルシエラ〉
ええ。私以外にも天使の子がいるんですか?
ぜひ、挨拶させて下さい。
〈アンリ〉
はい。たしか交換留学生(捕虜)だとか。
その会話に割って入るように、
アルドベリクが尋ねる。
それはこのアルトーパークに来た
本来の目的でもあった。
〈アルドベリク〉
別の元天使はもう到着しているか?
〈アンリ〉
まだでございます。ご到着されているのは、
ドラク卿とバルバロッサのご令嬢のみです。
〈アルドベリク〉
そう。それなら待つとしよう。
それは、アルトーパークに長期滞在し、
彼らの重要案件の決定を集中的に行う
という目論見であった。
ふと、アルドベリクは上階へ向けて伸びる階段の
湾曲に目をやった。
そこに見えるは、イニス家が誇る女性ふたり、
アンリの妻ララーナと娘エレインである。
ふたりはゆっくりとアルドベリクの方へ
歩いて来る。
〈ララーナ〉
ごきげんよう、ゴドー卿。
〈アルドベリク〉
こちらこそ、侯爵夫人。
堂に入った母の態度とは違い、
エレインの振る舞いは
まだ開いたばかりの花のよう。
挨拶の仕方も、窄みの面影が残っていた。
〈エレイン〉
ごきげんよう、ゴドー卿。
〈アルドベリク〉
エレインか。前にあった時はまだ小さかったな。
〈エレイン〉
ええ。よく遊んで頂いたのを覚えています。
〈ララーナ〉
ゴドー卿。
娘は貴方が来ると知って、
朝から時間をかけてめかし込んでいましたわ。
〈エレイン〉
まあ、お母さま!
それは言わない約束では?
〈ララーナ〉
ふふふ。裏切りは魔界の流儀ですよ。
ゴドー卿、お世辞でも結構ですから、
娘を少しほめてやってください。
〈ララーナ〉
それだけで、娘は大喜びするはずですから。
〈アルドベリク〉
え。
そう言われて、アルドベリクはエレインを見た。
少女はこの家のしきたりを守り、
その顔には鉄の仮面を被っている。
めかし込んだと言われても、
何が何だかわからない。
アルドベリクはそう思った。
この場合、沈黙は時間と共に別の意味を
帯びてくる。
なにか言わなければならない、
とアルドベリクは焦った。
〈アルドベリク〉
その……いい、装飾だな。
その……仮面の上の彫金など、
なかなか出来るものではない。
〈エレイン〉
……。
妙な沈黙がアルドベリクの背筋を寒くさせる。
何か間違えたのだろうか、と。
〈エレイン〉
まさか、そんなところを褒められるなんて……。
〈アルドベリク〉
……。
後悔が、押し寄せてくる。
〈エレイン〉
嬉しいです。
ここはわたくしが直接職人に指示して
彫らせたものなんですよ。
どうやら間違いではなかったようだった。
〈アルドベリク〉
そうか……そうだと思った。
エレインらしさが出ていると思ったんだ。
〈ルシエラ〉
そうですね。それに、そのドレスも素敵です。
あ、ジュエリーもドレスにとても合ってますね。
自然とエレインのことを誉めたてる
ルシエラを見て、アルドベリクは
密かに「こいつすごいな」と思った。
というか、ドレスを褒めればよかったのか、
今更ながら気づき、ほぞを噛む思いであった。
〈エレイン〉
ありがとうございます。おや? 貴方、どなた?
不思議そうに首を傾げるエレインに、
アルドベリクは同行者を紹介する。
〈アルドベリク〉
紹介する。居候のルシエラ。
それから小さいふたりはリザとリュディだ。
色々あって面倒を見ている。
〈ルシエラ〉
よろしくお願いしまーす。ほら、ふたりも。
〈リザ&リュディ〉
よろしくお願いしまーす!
エレインは硬直したように黙っていた。
しばらくして、小さく笑い声をあげた。
〈エレイン〉
うふふ。……そんなバカな。
それきり、エレインは父親の後ろで項垂れていた。
どことなく落ち込んでいた気もしたが、
仮面を被っているのでよくわからなかった。
ララーナに案内され、
アルドベリクたちがサロンに向かおうとすると。
〈イザーク〉
貴公の方が、先か。
イニス卿、世話になるぞ。
イザークが到着し、アンリと挨拶を交わしていた。
〈アルドベリク〉
ああ、少し前に着いた。
〈イザーク〉
イニス卿、
これは〈マンイーター〉のナンバーテンだ。
受け取ってくれ。
〈アンリ〉
これはこれは、銘酒と謳われるナンバーテン!
有り難く頂戴いたします。
すると堰を切ったように
続々と魔王たちが到着する。
〈エストラ〉
イニス卿、ごきげんよう。
〈エストラ〉
これは夫人とエレインに渡してくれ。
我が領土のヒキツリジカの香囊を使い、
作った香水だ。
〈エレイン〉
ありがとうございます、エストラ様。
〈アルドベリク〉
……?
最後にクィントゥスがやってくる。
〈クィントゥス〉
久しぶりだな、アンリのダンナ。
途中でぶっ倒したチスイオオクマを
使用人に渡しておいたぜ。
〈クィントゥス〉
やり方は任せるが、
うめえ料理を喰わせてくれよ。
〈アンリ〉
お安い御用です。クィントゥス殿。
〈アルドベリク〉
……。
〈クルス〉
どうやら今回の参加者は
揃ったようですね。
アルドベリクの傍らに、クルス・ドラクと
カナメ・バルバロッサが現れる。
〈アルドベリク〉
クルス、カナメ、つまらないことを聞くが、
お前たちはイニス卿に手土産として何を渡した?
〈クルス〉
ドラク地鶏の肉と卵を。
〈カナメ〉
バルバロッサ家御用達の日傘を渡しました。
アルドベリクは居並ぶ魔王たちを無言で見つめる。
〈アルドベリク〉
お前たち、やっぱりわざとだったのか……。
〈クルス〉
ゴドー卿、何のことですか?
〈イザーク〉
貴公は一体、いつの話をしているんだ?
〈エストラ〉
さっぱりわからんぞ。
〈アルドベリク〉
……もういい。
イザーク、アルドベリクを含む、
魔界の中枢に座る者がこのアルトーパークに
集まったのには訳がある。
彼らには、これからの王侯会議の行方を
左右するほどの決定を下す。
という重大な仕事があった。
〈アルドベリク〉
今回は事が事だけに、
第三者の意見を聴く必要がある。
〈アルドベリク〉
そのため、特別に魔王以外の者も
参加してもらうことにした。
〈アルドベリク〉
だが、決定するのはあくまで我々、
王侯会議である。
そのことは、認識しておいてほしい。
王侯会議の参加者たちが黙って頷いた。
それを契機にして、クルスが立ち上がる。
〈クルス〉
では、特別に参加してもらう面々を
紹介しましょう。
〈クルス〉
ひとり目は、アリーサ・ベルゴン。
由緒正しきベルゴン家の令嬢です。
〈アリーサ〉
よ、よろしくお願いしまぁす。
〈イザーク〉
君はギブン兵の生みの親だと聞いた。
思ったより若いんだな。
〈アルドベリク〉
若さは功績の多寡に関係はない。
これからも精進してくれ。
〈アリーサ〉
は、はぁい。あ、ありがとうございまぁす。
〈カナメ〉
(猫かぶりにもほどがある……)
〈クルス〉
では次はキルティ家の令嬢
イーディス・キルティです。
〈クルス〉
彼女はワクワク魔界フェスティバルの名付け親
と言えば、不足はないでしょう。
〈アルドベリク〉
なるほど、今回の参加者に相応しい。
君のおかげで、ワクワク魔界フェスティバルは
成功を収めているようなものだ。
〈イーディス〉
とんでもありません、閣下。
〈イーディス〉
わたくしはただ、王侯会議の崇高な計画に
相応しい名を、偶然見つけ出すことが
出来たに過ぎません。
〈イーディス〉
成功は、すでに計画段階から
決定していたと考えます。
その畏まった口調を聞き、
エストラがはたと思い至る。
〈エストラ〉
閣下? 彼女はすでに軍籍にあるのか?
〈アルドベリク〉
俺の管轄する方面軍に所属している。
直属はバルバロッサ家だ。
〈カナメ〉
女学院では私やアリーサの学友です。
名目は私の護衛ということになっていますが。
イーディスはきびきびとした動きで
自分の席に戻る。
〈クルス〉
続いて、イニス卿。説明は不要でしょう。
ルシエラさんとリザさん、リュディくんに
関しても同様でしょう。
〈イザーク〉
問題ない。よろしく頼む。
〈みんな〉
はーい。
〈クルス〉
さて、最後ですが、偶然珍しい客人が
滞在していたので、参加してもらいました。
〈クルス〉
よその世界から来た黒猫を連れたニンゲンです。
紹介にあわせて、
ニンゲンはよろしくお願いしますと言った。
目の前のニンゲンが、
いつぞやの魔法使いだとアルドベリクは気づく。
イニス家のしきたりに合わせたのか、
仮面をつけていた。
それだけでなく、なぜか足かせまでつけている。
〈アルドベリク〉
……大変そうだな。
ニンゲンは、わかって頂けて幸いです、
と答えて、再び着席した。
事前に済ますべきことが終わり、
本格的に会議が始まろうとしていた。
アルドベリクが厳かに切り出す。
〈アルドベリク〉
では、本日の議題に取り掛かりたいと思う。
〈アルドベリク〉
現在、我々は一部貴族から閉鎖的であることや、
決定の密室性を糾弾されている状態だ。
〈アルドベリク〉
それは、この王侯会議というものを組織した経緯、
つまり「開かれた意思決定」という理念からは
かけ離れている。
〈アルドベリク〉
我々はいま一度、王侯会議と支配下の
魔族たちとの関係性を見つめる時が
来ているのではないか。
〈アルドベリク〉
そこで、王侯会議のイメージアップを企図し、
キャッチコピーと
マスコットキャラクターを決定する。
アルドベリクに続いて、アンリが声を上げる。
〈アンリ〉
僭越ながら、それに加えて、
先日このアルトーパークで起った殺人?
殺鳥? 殺ギブン? ま、何でもいいのですが。
〈アンリ〉
その件について、
皆さまの決定を賜りたいと存じます。
状況、経緯などはお伝えしている通りです。
〈アンリ〉
決めて頂きたいのは、
殺ギブンを犯したギブンの処遇です。
〈アルドベリク〉
その旨、了解した。
カナメ、まず公募で集まった
キャッチコピー案を読み上げてくれ。
言われて、カナメは資料を片手に立ち上がる。
〈カナメ〉
僭越ながら、私が読み上げさせていただきます。
一拍の間をおいて、
カナメは慎重かつはっきりとした口調で、
一案目を読み上げた。
〈カナメ〉
「胸がドキドキ! 王侯会議」
一同は黙っている。
〈アルドベリク〉
ちょっと意味がわからないな。
〈クルス〉
少し、意外性を狙い過ぎている気がしますね。
〈カナメ〉
「なんでもおまかせ! 王侯会議」
〈アルドベリク〉
……誇大広告じゃないか。
さすがに我々も、なんでもというわけではないぞ。
〈イザーク〉
そうだな。次を頼む。
〈カナメ〉
「王侯会議、イーディスね」
アルドベリクはイーディスを見やる。
〈アルドベリク〉
君か?
〈イーディス〉
いいえ、違います、閣下。
〈アルドベリク〉
そうか。
〈カナメ〉
(信じた?)
〈イザーク〉
次を頼む。
〈カナメ〉
「ちょっと寄ってく? 王侯会議」
〈エストラ〉
親近感は湧くかもしれないな。
気軽に寄れる感じがして。
〈クィントゥス〉
狙いは悪くねえんじゃねえか?
〈アルドベリク〉
……だが、
本当にちょっと寄っていかれても困るぞ。
〈イザーク〉
それもそうだな……。次だ。
〈カナメ〉
「おいでよ、王侯会議」
〈アルドベリク〉
寄ってきそうな感じが強くなったな。
〈イザーク〉
却下だ。
〈カナメ〉
「何が出るかな? 王侯会議」
〈アルドベリク〉
……密室感が強くなってないか?
〈エストラ〉
それに、一か八かみたいなニュアンスは、
全体意思の決定機関としては
少しまずいだろう。
〈カナメ〉
「君の後ろに王侯会議」
〈アルドベリク〉
怖いだろ。
王侯会議はさらに続く。
会議は暗礁に乗り上げていた。
なかなか「これだ」と思える案が出なかった。
〈イザーク〉
次だ。
〈カナメ〉
「魔界一参加したい会議」
その案を聞いて、一同が示し合わせたように、
宙を見上げた。
〈アルドベリク〉
悪くないな。魔界一ということで、
品位の高さも感じる。さらに参加したいという
言葉は親しみやすさがある。
〈イザーク〉
他に案がないなら、
これで決めてしまってもいいんじゃないか?
しかし、最善のものではなかった。
それは誰もが理解していた。
そんな時、傍聴者の中から手が上がる。
〈ルシエラ〉
アルさーん。リザが何か思いついたらしいですよ。
さ、リザ、言ってごらんなさい。
少女は、座っていた椅子から飛び降りて、
ちょこんと魔王たちの前に立つ。
すうっとひとつ息を吸うと、
自信たっぷりに言った。
〈リザ〉
「ほのぼの王侯会議」
〈アルドベリク〉
ふふ。ありがとう、リザ。
いい案だ。参考にさせてもらうよ。
子どもの多感さは、
うわべの笑顔や声色の奥の奥を鋭く感じ取る。
リザの表情は一気に曇った。
〈リザ〉
ほのぼの王侯会議……。
あやすように、ルシエラがリザの肩を抱いた。
〈ルシエラ〉
リザ。自分のアイデアがアルさんに
気にいられないからって、
わがまま言っちゃだめよ。
〈ルシエラ〉
アルさんはリザより王侯会議のことの方が
大事なんだから。
〈アルドベリク〉
そこまでは言ってないぞ。
〈リザ〉
ほのぼの……
少女は寂しそうにそう呟く。
その場が静けさに支配されつつある分、
その言葉が魔王たちの耳に鮮明に残った。
〈エストラ〉
「ほのぼの」でいいんじゃないか?
〈アルドベリク〉
いや、それはさすがに……。
〈リザ〉
ほのぼの……。
〈アルドベリク〉
……では、王侯会議の新キャッチコピーは
「ほのぼの王侯会議」ということでいいか?
〈魔王たち〉
異議なし。
王侯会議の新キャッチコピーは
「ほのぼの王侯会議」となった。
〈アルドベリク〉
次にマスコットキャラクターについてだが、
すでに配っている候補に目を通して欲しい。
〈アルドベリク〉
現状では勇ましさや強さを表現する意図もあり、
竜あるいは狼と言った獣をモチーフとした
キャラクターを考えている。
〈アルドベリク〉
それについて異論はあるか?
俺は竜がいいと思う。他に候補があれば聞こう。
ざっと魔王たちを見渡したが、
手を挙げる者はなかった。
と、アルドベリクの眼に、
か細く白い手が挙がるのが見えた。
〈リザ〉
ヤギさんがいい! かわいいからヤギさんがいい。
〈アルドベリク〉
ヤギか。ヤギはなんというか、
供物の印象が強すぎるな。
さすがに王侯会議のキャラクターとしては……。
言い終わる前に、アルドベリクは気づく。
少女の目が潤み、いまにもそこから
涙がこぼれそうなことを。
〈ルシエラ〉
もう、リザ。またわがまま?
さっきも言ったでしょ、アルさんはリザの
ことより、王侯会議のことの方が大事なの。
〈ルシエラ〉
リザの意見なんてちーっとも聞いてないんだから、
諦めましょ。
〈アルドベリク〉
そこまでは言っていないぞ。
〈リザ〉
ヤギさん……。
ルシエラの腕に包まれながら、
少女は寂しそうに呟いた。
その言葉は儚く消え入りそうだった。
〈クィントゥス〉
別にヤギでもいいんじゃねえか?
〈アルドベリク〉
待て、ヤギだぞ。
王侯会議の象徴がヤギというのは……。
〈リザ〉
ヤギさん……。
〈アルドベリク〉
ヤギにしよう。
〈リザ〉
・・
ヤギさん……。
〈アルドベリク〉
ヤギさんにしよう。異議はあるか?
〈魔王たち〉
異議なし。
〈アルドベリク〉
次に名前だが、故事に倣い、
古の魔王から名前を拝借するのはどうだろうか。
〈アルドベリク〉
魔王ドゥ・ゲイザあたりが妥当だと思うが?
〈リザ〉
まかたん……。
〈アルドベリク〉
まかたんにしよう。
〈魔王たち〉
異議なし。
アルドベリクは、ひとつ咳払いして、
一同に向けて言った。
〈アルドベリク〉
では、今回の王侯会議では、
キャッチコピーとマスコットキャラクターの
動物と名前が決まった。
〈アルドベリク〉
キャッチコピーは「ほのぼの王侯会議」。
キャラクターとなる動物はヤギ。
〈リザ〉
ヤギさん。
〈アルドベリク〉
ヤギさん。名前は「まかたん」だ。
以上異論はないな?
魔王たちは自らの手を打って、答える。
その場は満場一致の拍手が響き渡っていた。
〈アルドベリク〉
では、明日は「まかたん」の具体的なデザインと
キャラクター設定について、決めて行こうと思う。
〈アルドベリク〉
各々、どうすれば魔族たちの心を掴めるか。
今日一晩じっくり考え、
明日の会議に参加してほしい。
会議が閉会を迎える直前、
クルスが思い出すように言った。
〈クルス〉
あ。ギブンの処遇はどうしましょうか?
〈アルドベリク〉
アルトーパークで私闘を行った者に
慈悲は必要ない。
殺せ。
〈魔王たち〉
異議なし。
そして、新たに「ほのぼの王侯会議」とおして
出発を迎えることとなった魔王たちの会議は
閉会を迎えた。
